2018/10/21 22:39
動物の「皮」を柔軟性と耐久性を併せ持つ「革」へ加工することを「なめし」と言います。
代表的ななめしには「タンニンなめし」と「クロムなめし」があります。
植物由来のタンニンを使ってなめすのがタンニンなめしです。
手間と時間がかかる方法ですが、体にも環境にも優しく、コシがあり、伸縮性が少ないので、タンニンなめしのレザーバッグは型崩れを起こしにくいのも特徴です。また、使うほどに革に艶が出てくるのもタンニンなめしの革の醍醐味です。お手入れによっても一層経年変化を楽しめますので、革好きな人を魅了してやまない希少性のある革です。
当店の革はミリング加工によって、程良いコシと柔らかさを併せ持つ革に仕上げております。
ちなみにミリング加工とは革を手で揉みほぐしたり、革をドラムに入れて回転させることで柔らかさを出す加工です。
もう一つは、化学薬品を使い短時間で大量になめすことが出来るのがクロムなめしです。
タンニンなめしに比べ、手間と時間がかからない為、現在、多くの革製品が効率的なクロムなめしの革を使っており、価格的なメリットがあります。
また、柔らかく、伸縮性があるのが特徴です。タンニンなめし革の様な経年変化はありませんので、購入時の状態が続きます。お手入れの頻度も比較的楽です。
タンニンなめしとクロムなめしを合わせて混合なめし(コンビなめし)という革もあります。
それぞれの革の特徴を併せ持ち、それらの革をセミクロムレザーとかセミベジタブルレザーと言ったりします。
各タンナーさんや各メーカーさんによってなめし方にも、その配合や工程などの違いによって、同じタンニンなめしでも違いがあります。
同じチャーハンでもお店によって味付けが違うように、革をなめすにもレシピに違いがあります。
なめした革に色を付けて、色々なカラーの革を作りますが、「
染料と顔料 」による方法があり、それによっても革の表情や風合いは変わってきますので、それについては別の記事で触れたいと思います。
革をなめす際に大量に排水がでますが、タンニンなめしは天然由来なので、環境や人体にも優しいです。なめし方一つとっても、千差万別で、革は奥が深いです!
お読み頂き、有難うございます。この記事が革選びの参考になりましたら幸いです。