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2018/10/21 23:38

革に色を着色するのに「染料仕上げ」と「顔料仕上げ」という方法があります。

染料仕上げは、革本来の表情をそのまま活かす着色方法です。

革に染料が浸み込んで着色する感じですので、革を染料で仕上げますと、天然の革の美しさそのままの表情を楽しめます。

日々使い続けたり、防水スプレーをしたり、油分を与えるクリームを使うなどは、表面を保護する1つの方法です。*シミにならない様、目立たない箇所で、スプレーやクリームと革の合性をテストして下さい。

 

顔料仕上げは革の上に顔料を定着させる着色方法ですので、小さなキズ等は顔料で隠せますので、比較的均一的な表情となり、経年変化が現れにくく、買った時の状態が続きます。また、顔料が革の上に乗っておりますので、染料仕上げの革に比べると、比較的耐水性は上がり、お手入れなども楽です。

 

天然の革には、シワやキズなどの生きた証が現れ、その表情は1つ1つ全て違います。

二つとして同じものはありません。

天然の革が持つ風合いを最大限に活かし、使うほどに艶が出る経年変化を楽しめるのが、タンニンなめしの染料仕上げになります。

*但し、全てのタンニンなめし染料仕上げの革が経年変化がよく表れるわけではありません。色止めなどの仕上げをしっかりすることで、経年変化は少なくなります。

例えばバッグなどは服などと接する部分が大きいですので、経年変化だけを優先して仕上げるのではなく、色止めもしなくてはいけません。革小物などの場合は服などに接する事はバッグほどないので、色止めを必要最小限に仕上げる事で、経年変化がより表れるようになります。

タンニンなめしの様な経年変化のない、比較的均一的な表情でお手入れが楽な革が、クロムなめしの顔料仕上げになります。

化学薬品で短時間で効率よくなめすことが出来る為、価格的にもお求めやすいです。

現在市場で販売されている大半の商品がクロムなめしの顔料仕上げの革で作られております。

お手入れなど比較的楽に、買った時の状態を楽しみたい場合は、価格的にもお求めやすいクロムなめしの革がお勧めです。

天然の革の表情を最大限に楽しめる染料仕上げの革は、お化粧で例えると、スッピンないし薄化粧。顔料仕上げの革は、ばっちりメークといった感じです。

タンニンなめしの染料仕上げの革は傷の少ないグレードの高い革が必要になります。かつ、なめすのに、手間と時間がかかるため、クロムなめしの革に比べお値段も高くなります。

革といっても、色々な種類があります。それぞれの革によって良さに違いがあります。

別の記事でグレードななめしについて書いておりますので、そちらと併せてご覧いただき、革選びのポイントとしてあなたのお役に立てましたら幸いです。

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